生前整理とは生きている間に財産や物を整理しておくことをいいますが、いざ始めようと思っても何から手を付けていいのかわからないことがあるかと思います。
そこで今回は、万が一に備えて生前整理をしておきたい人に向けて、生前整理でやることを具体的に解説します。
物を整理する
生前整理に取りかかる際、まずは不用品を処分しようと考えますが、日常的によく使う物や衣類などをリストアップしておきましょう。頻繁に使う物がわかれば、それ以外の物は普段ほとんど使っていない物だとわかりますから効率よく整理を進めることができます。
しばらくの間使っていないものなら処分すべきとは一概にはいえませんが、使用頻度が低い物は今後も不要な場合が多いでしょう。不要と判断した物を思い切って処分しておけば、遺族の負担を軽減することができます。
自分にとっては不要でもまだ使える物や、綺麗な状態で捨てるのは抵抗がある物などはリサイクルショップに売る選択をしてもいいでしょう。
家庭ごみとして出せないエアコンや冷蔵庫、洗濯機などの電化製品の処分は、買取を行っている不用品回収業者に依頼するという方法もあります。
家にある物をまとめて処分したい場合や、売りたい物がたくさんある場合も買取を行う業者への依頼をおすすめします。
財産目録を作成する
まず財産目録とは、所有する財産の一覧表のことをいいます。現金や預貯金、有価証券、不動産、貴金属などをリストアップします。ここにはプラスの財産だけでなく、借金や負債、ローンなどのマイナスの財産も記載しておくことで、相続人に財産の内容を明確に示すことができます。
財産目録の作成に法律上の義務があるわけではありませんが、遺族が相続手続きをスムーズに行えるようになるため、作成しておくことをおすすめします。
具体的にいえば、相続税の申告が必要かどうかの判断がしやすくなったり、相続税の納付額の判断ができたりします。
相続税を支払う際には相続財産一覧表を作る必要があるため、財産目録を参考資料にできれば遺族の負担が軽くなります。
また相続分割をするにあたり、親族間の相続トラブルを避けることができるでしょう。
反対に財産目録が遺されていない場合を考えますと、相続人はすべての財産を自力で探し出さなくてはなりません。金融機関の口座を複数持っていたり、相続人に伝えていない生命保険があったりした場合、見つけられないまま放置されてしまうと財産を失う事態にもつながりかねません。
遺言書を作成する
生前整理を行う上で重要なポイントは、遺言書を作成すること。民法に則った正式な形式で作成された遺言書には法的効力があります。自分自身が希望する遺産の分配方法を叶えてもらうためにも、遺言書は作成しておく必要があります。
遺言書で指定できるのは、主に以下の内容です。
・誰にどの遺産を継承するのか
・遺産の分割方法
・相続人以外への遺贈について
・遺言内容を実行してもらう遺言執行者
・寄付について
・子どもの認知について
・相続人の廃除について
遺言書を作成する際は、上記のように遺言執行者を指定しておくことをおすすめします。遺言執行者とは遺言内容を実行する人のことをいい、相続人に相続財産を分配する役割を持ちます。
遺言執行者が指定されていれば遺言内容の実現がスムーズです。誰を指定してもよいのですが第三者である司法書士や弁護士などに任せることで、相続争いが起こりづらくなります。たとえば相続者間で財産分配の割合に差があったとしても、第三者の相続の専門家が間に立つことで冷静に手続きを進められることがあります。
先ほどにも解説した通り、遺言書は正しい形で作成しなければ法的効力を発揮することができません。ですから遺言書を作成する際は、せっかく用意した遺言書を紙切れ同然にしてしまわないためにも、公証人役場で公正証書遺言を作成することをおすすめします。
遺言書の中でも公正証書遺言は、高確率で遺言内容を実行してもらえるものです。デメリットを挙げるとすれば、公証人や証人に財産を公表する必要があったり、手数料や報酬を支払ったりすることがあります。このように手間はかかっても、より確実に有効な遺言書を作成することが可能です。
エンディングノートの作成
エンディングノートとは、自分が事故や病気、認知症や寝たきりになって意思疎通が取れなくなったときに備えて、大切な家族や親しい友人に向けて自分の意思を記しておくものをいいます。内容は自分の死後の葬儀や納骨、墓についての希望などです。
エンディングノートは遺言書とは違って法的効力を持ちません。だからこそ自由に書けるものですから、遺言書に記入した財産分配をした理由や、ペットを飼っている場合は残されたペットの処遇についてなどさまざまなことを書き残すことができます。
また、知人や友人を一覧表にまとめておいてもいいでしょう。知人、友人を関係性などでグループ分けして、連絡先とともに通夜や葬儀に呼んでほしい人をリスト化しておけば、いざというとき遺族はとても助かるものです。
エンディングノートで家族や友人にメッセージを遺せば、遺言書の法的効力を持つ内容だけでなく、愛情や思いやりを伝えられる機会にもなります。実際にエンディングノートを読んで手間が最小限で済んだり、愛されていたことを改めて実感したり、心が軽くなったという遺族の方も少なくはありません。
自らの判断が下せる健康なうちにエンディングノートを書いておけば、安心して余生を過ごすことができますし、万が一の事態が起こったとしても大切な家族に思いを伝えることができます。
まとめ
今回は生前整理のやり方について解説しました。生前整理では物の整理、財産目録や遺言書、エンディングノートを作成します。
家族への思いやりの気持ちから生前整理を行う人も多く、定年退職をしたタイミング、死を身近に感じたときなどに始めるケースが多くあります。
あらかじめ物や財産が整理されていれば、家族はとても助かるものです。これを機に生前整理を始めてみてはいかがでしょうか?
生前整理を始めたいけど自信がない、上手く進めることができない、そんなときは遺品整理業者に依頼するのも方法です。
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